MINIを保険で直してみた。

私のMINIを載せたキャリアカーはMINI伊勢崎に到着していた。メカニカルアドバイザーのSさんが私に、大まかな所見を説明してくれる。

Sさん「交換しなければならない部品は沢山有りますが、辛うじてシャシーまでは行ってないようです」

事故車扱いにはならない?

Sさん「大丈夫です。部品を全て交換しちゃいましょう。コンピュータ診断では " 異常ナシ " なので、完全に直ります。元通りになります」

やったっ

Oさんが私に代車を用意してくれた。

私「MINI、だよね?」
Oさん「勿論です(笑顔)」

MINI伊勢崎でMINIを買った人は無償でMINIを使う事ができる。他の店でMINIを購入すると、車検や点検の際、代車にMINIを望むと有料(1日3,300円)になる。代車に限った話ではなく、車体価格だけで結論を出すのは、私はあまり勧めない。
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1週間後。
MINI保険から「車両費用請求取り下げの手続き」が届く。ロードサービス、レッカー、代車による費用、対物、車費(シャヒ)は相手の保険会社に支払わせるから、当方の保険は使わないよ、とゆー通知。その後、「車両補償請求取り下げの手続き」が届く。新車補償を使わないよ、とゆー通知。

私はMINI保険の担当Sさんに電話し、挨拶。ひと通り、事の顛末を話してから「格落ち損害」を相手側に請求するつもりだと伝える。
修理にかかる金額は、支払う義務を負う相手の保険会社からアジャスターという人が出向し、修理する会社の見積もりを精査して決定するのだが、業界では"協定"と呼んでいる。協定後、修理費の10%を被害者に支払われるのが格落ち損害金。要するに、クルマの価値が下がった遺失分を保険会社が補償するのだ。将来、私がMINIを売る時、値切られる可能性を含ンでしまったことによる。オカネで解決するしかないのが格落ち損害金。売らないけどね。
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事故から10日後。
アドバイザーのSさんにより、6ページに及ぶ概算見積書が示された。判っている分だけで、

私「215万円!ですか」
Sさん「全部交換します。これからまだ増えます(微笑)」

私「どんどん増やしましょう。それとSさん、私のMINIは完成まで急ぐ必要はありません。急いでるお客さんを優先してください」

リラダンでも「急いでる」って言うお客さんは帰ってもらってる。料理もクルマも同じ。急がせるといいものは絶対に出来ない。

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ドア、ボンネット、フェンダーも板金ではなく全取替にするので本国発注。ヘッドライトも正常点灯するけど不安が残るからという理由で交換。壊れてないギアボックスも、ネジが曲がってるから取り替えよう。壊れてない周辺部品も、移植する際に「一度の脱着でクリップが弱くなるから」という理由で新品に代える。

英国からのパーツは未塗装で届くので、塗装してからコーティング。何度も更新した見積もりは最終的に258万円。

当初、格落ち損害金に否定的だった相手の保険会社に対し、私は何度も「ゼロ回答だけはカンベンして」と申し上げ、示談への道はそれ次第、と暗に知らせ続けた。MINI伊勢崎にも口添えをお願いして結果、相手は格落ち損害金の支払いに応じたのだった。私の口座に振り込まれた25万円はそのままMINI伊勢崎でアルミホイール付きの純正スタッドレスタイヤの購入費用に充て、純正のドライブレコーダーも付けた。

足回りのアライメント調整(これも保険請求)をしたおかげで、納車時より走行直進性が安定。フロントのラジエーターグリルも、二ヶ月かけて船で輸送されてきたことによる水垢が落ちなかったのだが(船に積む時雨天だったと思われる)、新しいものに交換したおかげで4年経った現在でもきれい。

元々550万円のMINIだったのが、250万円足されて総額800万円となったMINI。実はこの一年後、再び事故に遭遇(修理費150万)したンだけど、本件と同じく、プラスで戻ってくるシナリオにしたので、追って書こうと思う。ライコウ横浜店でコーディングもしたから、総額1千万円のMINI。怪我の功名。


つづく