11éme

2024/01/26(金)

新しい朝が来た

と言っても外は真っ暗。5時38分、ティファールの電気ケトルのスイッチに手を伸ばす。数分で沸騰するこの装置、まるでリラダンにあるイタリア製エスプレッソマシン「カリマリ」に通じる。カリマリの故郷、イタリア北部ロンバルディーア。首都ミラノではカツレツが有名。フランス料理でミラノ風といえば仔牛肉を肉叩きで薄く伸ばし、ファリネしてからパネ(パン粉付け焼き)にする。カルナローリ米を使うリゾットも名物だ。グアルティエーロ・マルケージが世界を驚かせたのが「黄金のリゾット」
サフランで真っ黄色に仕上げたリゾットの上に、手の平サイズの金箔を一枚使う。リラダンでもガトーオペラに使う食用金箔。現在、金の相場は1グラム1万円。基本、サフランは金の相場と同額だと言われている。

エスプレッソマシンのことを巷では「コーヒーマシン」と呼ぶンだけど、勝手にコーヒーが出てくるフルオートタイプと違って、リラダンにあるカリマリは「セミオートタイプ」といってプロのバリスタが使うマシン。
コーヒーマシンとの決定的な違いは、セミオートマシンが精密な「湯沸かし器」だという点。「お湯や蒸気は準備するけど、飲み物はアナタが作ってね」という機械。常に熱湯を高圧で噴出できるから、表面にクレマ(クリーミーな泡)が出来て、秒で豆の香りが出せる。また、水道直結式だから水タンクが不要で、200ボルト電源でパワーもあるから、芳醇なエスプレッソを1時間に連続90杯抽出することが可能だ。誰でも淹れられるフルオートに比べて、セミオートを使うにはそれなりの知識とテクニックを要する。
家電量販店で目にするコーヒーマシンをトヨタのクラウンに例えると、カリマリはフェラーリみたいなものですネ。
フランスでコーヒーといえばエスプレッソ。ミルクとブレンドして朝飲むカフェオレは食べながら飲むけど、フランスではデザートが終わってからコーヒーを飲む。デザートを食べてる際にコーヒーは飲まない。
フランス料理店でコーヒーとデザートを一緒に食すのは日本人だけ。日本の「ケーキセット」文化がフランスの理解のジャマをしちゃってるンですね。

13時
リハビリ
週末はお休みなのが残念。理学療法士さんとの雑談も楽しみのひとつ。雑談といっても医学医療に関する内容なので、こンな時じゃないと訊く機会は無い訳で。

私「先生が患者の家族に話をするのを I C って言うけど、なンの略ですか?」
理学療法士さん「確かに言いますね。なんでしたっけ」

インフォメーション?

コントロール?

アイシーって「わかった」←違うよ!

14時20分
その後、看護師さんによる体温、血圧、血中酸素濃度を計る。

15時
看護師さんが来て
転院の書類にサイン。

18時
シャワーと洗濯
身体を拭いて、Tシャツに左腕を通す。明日は久し振りにデニムを履くつもりだ。誰が見ても入院患者に見えなければ満足だ。病棟を歩いて職務質問されてみたい。

19時
食堂でディナー
私と同じ手術で入院中のムッシュと話が盛り上がり、そこへ主治医の先生にもご参加頂いて(私がムリヤリ)三人で雑談。
先生、貴重なお時間を頂き、有難う御座います。
消灯前まで食堂に居たので慌てて病室へ戻る。夜担当の看護師さんが検温にきてくれた。
いつ行っても私不在で御足労お掛けしております。

手術して10日が経った。皆様、手を焼く患者なのにお許し頂き、本当にありがとうございます。

感謝