12月31日。2023年もあと一日。
月並みな書き出しで、もう少し気の利いた文言がないものか。
朝から生憎の雨、角上魚類高崎店は午前3時開店。隣りのカインズが駐車場を開放しているにも関わらず、道路は車列によって角上渋滞となっている。年末恒例の光景。昨日、箕郷のプラリネへバゲットを取りに行く道中、愛車を洗車している光景をあちこちで見かけているので、今朝の皆さんの心中をお察しします。私も同じ経験をたくさんしているので。。
2004年からザックリ計算で20年。思い返せばいろんなことがありましたが半分以上忘れてしまいました。こういうことは備忘録としてどこかに記録しておけばいいのですが、ずいぶん前に委託先のサーバーが飛んでしまい、長く書いていたブログごと消去されたのは未だに残念であります。東日本大震災当日から毎日書いた日常の記録も、ケンカした話も、全てが水泡に帰したンですから。
リラダンは予約無しでも利用できるンだけど、席予約も普通にできる。来店が確実で、人数も時間も決まっている場合は席を確保することができる。多くのご来店によって満席になったとしても、予約をしておけば安心してご来店いただける。当日直接ご来店頂く人よりも前に来店を約束してくれる人を優先するのはスジである。
だが、当日ランチの電話予約をするというのは、直接ご来店頂く人を出し抜くことになる。それがまかり通ると「電話したモン勝ち」になり、直接来店する人にとっては到底承知できない。そういう理由で、リラダンではランチの当日予約は受け付けないルールになっていて、ご来店される方々から順番にご案内することにしている。リラダンを完全予約制にしない理由は「あ、リラダン行こうかな」というお客様を大切にしたいから。それゆえ、大人数の予約が入っても、リラダンを貸し切りにはしません。
リラダンの営業案内では11時オープンと明記してある。11時に開店するフレンチってなかなか無いよね。これは2004年のオープンからひたすら守っているンだけど、フライングして早めに閉めるってのはリラダンではよくあることなんです。例えば、私が買い出しに行くとか取引先に用件があるとかお客さんが誰も来なくてシーンとした夜だとか、
深谷の美容室まで髪をカットしに高速使って飛び出す日とか。まぁ要するに、遅いご来店はオススメしないって話。
で、ディナーでは夜10時までお寛ぎいただけるンだけど、ご入店は19時20分がリミット。この時間にクルマが滑り込んでくるというのはアウト。この時間にご着席されていなければならないので、19時15分になってクルマが入ってこなければ、入り口は準備中の札になります。これは予約していても対応は同じです。予約したお客人が時間に遅れて来店した場合も入店不可なので、承服できない人が居ます。だから私は電話の予約時に必ず念を押して確認させていただくのです。
男性:「夜7時に二名予約したいんですけど」
私:「間違いなく7時にご着席頂けますか?それがあいまいだとご予約はお受けできません」
男性「大丈夫です」
私:「ありがとうございます。それではお席をご用意します」
男性:「メニューは5,000円のコースでお願いします」
私:「かしこまりました」
で、先日の12月28日の木曜日の夜。
件の男性が入り口に立ったのは、夜7時20分を過ぎた頃だったのである・・
・・・・・・・・・・
この夜はソワニエのSさんにご来店頂いていて、お帰りのラディシオン(会計)の際、
私:「Madame、準備中にして」
無言でクローズするMadame。
Sさん:「シェフ、予約は?」
私:「時間に来なければ、閉めます」
で、来年私が受ける手術の話で盛り上がってる時、一台のメルセデスが入ってくる。さぁどーするの?という感じでSさんが退店し、入れ替わりで女性を連れて男性が入り口の空気を読んで怪訝そうな顔で立っている。私は予約の時間を過ぎても御来店が無かったからもう閉めたンです、と告げたのだが、納得いかないとのこと。で、私の気まぐれが頭をもたげてきて、
私:「いいですよ。ではやりましょう。Madame、お席にご案内して」
Madameは え?やるの?という顔で個室を用意していると男性がMadameに、
男性:「タクシーを呼ぶので、クルマを停めて帰ってもいいですか?」
Madame:「あ、それは、えっと、少々お待ちください。シェフ!シェフ!お客様がクルマを置いて行かれたいそうです」
はぁ? なに言ってんの。ダメに決まってンじゃん。
私:「やっぱり帰ってください」
それを聞いた男性は憮然とし、声を張り上げる。
男性:「その言い方はないんじゃないですか?」
私:「どんな言い方ならいいんですか?」
男性:「お客に対して高圧的だ。私はあなたの言い方に怒っているんです!」
私:「じゃあどういう風に言えばいいんですか?」←笑顔で
男性:「どうもすいませんが、、とか」
私:「遅れてきたのはあなたですよね」
男性:「そうですが、社会通念上、飲食店の遅刻は30分位は普通なんです!年末なのにわざわざきてやったのに、なんであんな言われ方をされなきゃいけないんですか!」←大声
私:「もう少し声を落としてください。年末だからこそ時間を守ってください」
男性:「なんでクルマを置いて行ってはいけないんですか(怒)」
私:「あなたは私の甥でも従弟でもないですよね。あなたがどこに住んでるのかも私は知りません。まったく知らない人にクルマを置いて行っていいって言うワケないでしょ(笑)」
しかも年末だぜ?
この年の瀬にキーも受け取らずに知らねぇヤツのクルマを預かるワケねぇだろ。大体、タダでクルマを停めさせろって要求するオマエが非常識だよ。
一晩無料で停められる駐車場があるンだったらオレが知りてぇ。
・・・・・・・・・・
私:「ご予約の際に私、あなたにご説明しましたよね。7時に必ずご着席くださいって」
男性:「覚えていません。忘れました」
私:「それは私のせいではありません(笑)」
男性:「予約時間に少し遅れる位なんでもないでしょ?」
私は隣りに座るお連れの女性に「どう思いますか?」と声をかけると、男性は私を制しながら
男性:「(女性は) 関係ないでしょ?」
関係ないんだぁ
私:「例えば、6時に予約した人が6時40分にご来店しても私はご案内すると思いますよ」
男性:「同じ遅刻なのに?」
私:「ええ」
男性:「同じじゃないですか!」
私:「違います。あなたはリミットだからです」
男性:「なにが違うんですか!」
私:「リミットぎりぎりのご予約だからアウトなんですよ」
わかんねぇヤツだなまったく・・
・・・・・・・・・・
男性:「何度も来てるんです。お客ですよ私」
私:「じゃあなんでそんなこと言うんですか」
男性:「あなたが怒ってるからですよ」
私:「いやいや、怒ってないです。怒ってるのはあなたですよね?」
男性:「あなたは怒ってる」
私:「本人が怒ってないって言ってるンですよ。そもそもあなたは本当に怒った私を知らない。私が怒った時は」
私は男性の前に立ち上がり、本当に怒った時の私を演じて見せた。すると、
男性:「ケガしたくないから帰ります」
手を挙げるワケねぇべ・・
・・・・・・・・・・
私:「今回、ご予約時に5,000円のコースをご用命頂きましたが、用意したソースや材料は明日に回せないものもあります。社会通念上、キャンセル料を取ると思いますが、私はあなたに請求していません」
男性:「・・・・・」
私:「以前ご来店された時、私はお代を頂きましたが、それに対する対価を料理という形で提供しましたよね?」
男性:「お客に対する態度ですかそれ」
私:「お客と店側は対等です。それはフランスも同じです」
男性:「フランスでも?」
私:「フランスの方がしっかりしています。高圧的なお客には塩対応するのがフランスです。リラダンもそう。神対応か塩対応。どちらかですウチは」
ネットでリラダンの悪口書くヤツは元々ヘンな客だから、ウチで塩対応されてぶち切れる。削除要請とかできないの?ってMadameは言うけど、拡散した方がおもしろい。放置するに限るw
すべての人に愛されるほど、私は立派なニンゲンに出来てねぇンです。
鳴かず飛ばずがちょうどいい。そうでなくてもリラダンはたくさんのお客様に支えられている。大切にしたい。
私:「あなたもネットに書いていいですよ」
男性:「書きませんよ」
私:「私は書きますよ。お二人のこと。リラダンのブログに」
男性:「いいですよ」
確約頂きましたw
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男性:「以前来店した時に、あなたが料理を持ってきてくれたんです」
私:「それで?」
男性:「料理が冷めないように、シェフのあなたが直接テーブルに持ってきてくれたんですよ」
どこのお店さんも同じことすると思いますよ。
男性:「また来ます」
私:「いや、もう来ないでください」
男性:「来ます」
私:「おいしいお店は他にたくさんあります」
男性:「来ますよ」
私:「来ても絶対入れませんよ」
なにが言いたいのかわからない。
つーことで、次回は行く年くる年。