8éme「ブルターニュの女」

スーパーのレジ係って、座って仕事しちゃダメ?

 

ブルーオーシャンのメッセージテーマ。そうね、フランスではみんな座ってるから全然座っていいと思うけど、理解出来ない奴は多いから、これから先も企業はレジ係を立たせたままにすると思う。

日本ではこちらが挨拶しても黙ってるお客さん多いしね。フランスでは有り得ない。「なんだコイツ」って思われる。

ずいぶん前だったけど、読売新聞の読者欄で大学生の男のコが「外国人の多いコンビニでアルバイトをしています。日本人はおつりを渡す時無言だけど、外国の人は「アリガトウ」って言ってくれます」って投稿してたのを思い出す。

 

日本では会計時「4,008円」の場合、5,000円出して992円のおつりを嫌って、5,008円渡して1,000円戻るやりとりをするんだけど、フランスでコレをやると怪訝な顔をされる。フランス人は " 足し算 " でおつりを計算するから。4,008円にいくら足すと5,000円になるか、数えながら釣り銭を重ねていく。

セルフレジのご時世、こういうやりとりは少なくなってきてるンだろうね。

あ、リラダンは相変わらず現金です。高崎市民商品券は使えたけど。

 

ブルターニュの女性のことをフランス語でブルトンヌっていう。パリに住む女性をパリジェンヌっていうのと同じだね。フランス菓子でガレット・ブルトンヌっていう焼菓子があるんだけど、これはブルターニュの女性によるガレットっていう意味ではなくて、ガレット (La Galette) という名詞が女性名詞だから。フランス語は、女性名詞に付ける形容詞も女性形にするのがルール。ブルターニュで今でも焼かれているこのお菓子は、河田さんの店オーボンヴュータン(Au Bon Vieux Temps)へ行けば見つけることができる。

一方、ブルターニュに住む男性の場合は「ブルトン」っていうんだけど、今回の企画展では作家(画家)が全て男性だからか、ブルターニュの女性を描いた作品はたくさんあるのに「ブルターニュの男」という作品は無い。モリゾ(Berthe Morisot) とかローランサン(Marie Laurencin) がブルターニュを訪れてたら、そーゆー作品もあったンかね。得てしてモデルというのは女性が多いからか。ブルターニュの男をモデルにしても鑑賞者の興味を誘わなかったのか。実際「ブルターニュの女」という同名作品に絞っただけでも今回6作品を数える。シモン(Lucien Simon) の「ブルターニュの女」と並ぶ「墓地のブルターニュの女たち」は、戦争に出征し命を落とした兵士の家族が墓地で佇んでいる。埋葬された墓の前で兵士の妻と幼い娘、そしてひざまずく女性は兵士の母、もしくは姉だろうか。シモンはジャーナリストのごとく鑑賞者に事実を伝えていて、現代の " 戦場カメラマン " といえる。一見するだけでは悲しいンだけど、画家は感情移入することなく描く。自然の厳しさ、日々起こるつらさ、悲しみに耐える強いブルトンヌ達。そして、

 

シモンの描く「ブルターニュの女」を観ると、

 

腰に手を当ててドヤ顔だ。

 

ブルターニュの女性はたくましい。

 

レジでブルトンヌが座ってたら、グンマのお客はタジタジだろうね。

 

 

1919年頃 水彩/紙 19世紀(制作年不明) 102×54cm

Lucien Simon

松方コレクション