「Léonard Foujita」Épilogue

11月14日。

クマシデの枯れ葉が舞い、陽が落ちるのも早く、朝晩寒くなって。。

ワイン呑むか、、 ←16時51分

11月16日。晴れのち曇り

先日、ラム肉をラグーにした。前にコンソメを仕込んだ際の2番ダシが2リットル有るのを思い出す。2番というのは、クラリフェしたコンソメを静かに濾したあと、濁るのを承知で残りをプレッセしたもの。意外においしいこの2番、水の代わりに使用したンだけど、ウマくなるに決まってる。

仔羊肉を煮込む時、トマトを主体にすると案外おいしくなるのはよく知られている。そもそもナヴァラン(ラム肉と蕪の煮込み)はフォンやブイヨンを使わずに水から煮込むのだが、トマトを加えると相乗効果で感心するほどラム肉が旨くなる。塩をしっかり加えるのは言うまでもないけど。

コンサントレ(トマトペースト)100gをお湯で溶きのばし、貯めておいたラムの骨を焼いたものに回しかける。こういう順序が最後の最後に実を結ぶ。こだわっているわけではないけど、自分が受け入れることが出来なければ、誰がなんと言おうと気は済まない。あ、でも自信が持てない料理を肯定された時ほど、嬉しいことはないのだが、、。

結局、おいしいってなんだ?「おいしい」というのは食べ手が決めるのだ。感性は本人だけのもの。落胆したり、天にも昇る気持ちになったり。そういう、おいしいものが好きな人に私は料理を作りたい。“生き甲斐”と言っていい。

・・・・・・・

2ヶ月に渡ってフジタの作品を眺めた。画風が多岐にわたり、同じ画家の作品にはとても思えないコレクションである。唯一、サインが無くても解るのは数多い自画像くらいだ。おかっぱ頭に丸眼鏡、それに独特のムスターシュ(口髭)。ネコのヒゲもムスターシュと呼ぶのだが、まあ、フジタのネコ好きと関連性は無いだろうけど、、

アゴに生やすヒゲはバルブ(Barbe)と呼び方が変わる。ムスターシュもバルブも男性のモノなのにどちらも女性名詞だから仏語はおもしろい。

フジタは生前、「自分はアーティスト(芸術家)ではない。アルチザン(職人)である」と言ったとか。いい言葉だ。私もそう言えるようになりたいけど、ちょっとムリかもなぁ。

・・・・・・・

フジタの絵画人生を反映した本人によるエッセイが有るのを知った私は、早速アマゾンで取り寄せた。まだ1ページも読んでないが、気が向いたら読むつもりだ。思うところあれば、またここにタワゴトを書こうかな。←まだ書くのか!

フランス国籍を取得し、日本籍を抹消し、洗礼を受けて名を授かっても血は変えられないからだろうか、

 私:「フジタはやっぱり日本の画家だよなぁ」

と思ってしまう。フジタも君代夫人も不本意だろうけど。。

 

人がどう思おうと、自分が納得していればいい。

 

がんばろ。

 

おわり