11月8日。曇り。
今朝、リラダンの厨房で野菜クスクスを食す。おそらく明日も。
大体、作りすぎである。20名様分のつもりが、おそらくその倍だろうか、、。翌日のランチにメルゲズ一本付けて出したけど、
それでもまだ残っている。野菜は煮溶けてスープと一体化しており、まるでトマトベースのガルビュールだ。
ガルビュールというのはフランス南西部のスープ料理で、ハムの骨をダシにしたスープに豆や野菜を煮込んだもの。月曜日に作った残りを火曜日も食べ、水曜日も煮直して食し、木曜日には新たに野菜を足して煮て、、週末にはドロドロスープになる。このドロドロスープをパンと共に食べる頃、ああ、また来週から新しいガルビュールだな、、と思った。
マディランワインで名高いシャトー・ブスカッセのマンジェ(まかない食)には前菜としてガルビュールが必ずあった。身体に良いし、おなかに良いし、体力を必要とするヴァンダンジュ(ブドウの収穫)には打ってつけの料理だし、火にかけておけば出来上がるから手間が無いのである。マドレーヌばあちゃんも毎晩、自作のガルビュールをお椀に盛り、グラスに赤ワインをたっぷり注いで自室にこもるのが日課だった。
私:「シュークルート有るのに。食べないの?」
マドレーヌばあちゃん:「アタシは要らないよ」
なんで?オイシイじゃん。
グザビエが言うには「メメ(ばあちゃん)は、作ったシュークルートは一週間かけて食べなくちゃいけないから、飽き飽きして見るのもイヤなンだよw」とのこと。
そうなんだ
私にとって、それは嬉しい一週間となったのだが・・
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フジタがフランスで永住を決めて10年。5人目の妻 君代とのパリ生活。その中で描かれた作品。
夫妻がモデルとなり、聖母子に祈りを捧げている。フジタは白髪のおかっぱ頭、君代夫人はずいぶん若い様相。背中まで伸ばした髪が印象深い。夫人はフジタが他界した後も、この作品だけは手放さなかったンだってサ。
つづく