14ème:「姉妹」

10月31日。

早朝から仔牛のフォン。

20kgの仔牛の骨をミルポワと共にノンストップで20時間煮込む。昨夜は食事をしなかったのでハラが減った。まさか朝からワインを呑むワケにもいかず、、

ソワニエから昨晩頂いたクマちゃんパン。カワイイ。

 私:「どっからかぶりついたらいいんだ!」

手で回しながら、思案。

11月1日。

仔牛のフォンが仕上がった。けっこう良い感じ。まあ、狙ったワケではない。こういう日々を送っている。

なんだか寒いのは冬の風になってきたからか。クマシデの葉が風に舞う。もう少し、こういう秋晴れが続いてほしい。

11月2日。

突然、サーバーにアクセスできなくなった。リラダンのホームページも「表示できません」とエラーが。あの“悪夢”が脳裏をかすむ。おい!また全部飛ぶんじゃねぇだろうな?オレの備忘録ごと、、

ジンドゥ(JIMDO)のサポートに不具合の問い合わせメールをし、しばらく仕事に戻る。その後、思い出してノートパソコンのキーボードを叩いてみた。

 私:「あ、表示した」

お~よかったぁ。始めたばかりの新しいホームページがまたデリートされたのかと思った。だが、編集中のひとりごとが消えてしまった。なに書いたっけ。。

・・・・・・・

お気に入りの店が理想。確かそんなことを書いた。リラダンの場合、100人来店が有って、1人リピートになれば良い方だろうか。要するに来客の1%が常連になることになる。少なく感じるけど、一日平均20人のリラダンは25日営業で500人。毎月5人の常連客が誕生するとなれば、毎年60人も増える。リラダンは15年目だから、900人、リラダンのお客様が居る計算になる。ただ、理由が有って来なくなった方々も多いだろう。出産したとか、引っ越ししたとか、はたまた料理に飽きたとか。私がなにか粗相をしでかしたかもしれないし、なにより一番有り得る理由は「他にお気に入りの店をみつけた」とか。

おいしいお店は無数にある。大手もまわりに一杯出来る。そんな中にリラダンは存在し続ける。

毎週来る人、二週間に一度来る人、月に2~3回来る人、時々来る人たまに来る人、数か月に一回とか。久し振りのご来店もあるし。開店当初からのソワニエも多い。どのお客様も大切だ。足らないだらけのリラダンにご来店頂いているのは感謝の言葉だけでは全然足らない。後継者が居ないリラダンは私一代で終わるのは間違いない。そう思うと、健康で居なくちゃいけないな、、

・・・・・・・

日本を発ち、ニューヨークでフランス入国許可が下りたフジタがその後間も無く描いたのがこの作品だ。ベッドの中で二人の少女が朝食を摂っている。

クロワッサンとカフェオレ。典型的なフランスの朝だ。朝食は仏語でプティ・デジュネ(Petit Déjeuner)という。直訳すると“ちっちゃいお昼ゴハン”。"ジュネ”は断食のことで、断食をやめるから“デジュネ”になった、、というのが語源(だったかな)。

クロワッサンはヴィエノワズリーの代表格。朝のカフェオレはドリップコーヒーに牛乳を注いだもの。スムージーな泡ミルクが乗るのは"カフェ・クレーム”という。通常、フランスでは食後に飲まないのだが、リラダンのランチではチョイスすることができる。ここ群馬ではたまに「先に(食後の)飲み物をくれ」とおっしゃる方が見られる。自宅ではいいけど、外出した店ではやらない方がいい。フランスでは絶対しない飲み方だし、コーヒーなどの飲み物は食後が鉄則。私に言わせれば、食前にデザートを註文する感覚である。こんなこと書くと怒涛のような異論反論が出てきそう。まあ、タワゴトだと思ってスルーして結構だ。話を戻す。

クロワッサンをカフェオレに浸して食べるのが好きなフランス人は、ベチョベチョしてたりネチッとした食感が意外に好き。固いビスケットをコーヒーに浸けて食べるのはカフェで見かける光景。年齢性別問わず、コレをやる。日本人には無い感覚だ。

 

つづく

 

 

 

 

つづく