11ème:「魚河岸」

17時51分。

そろそろパッセしようと思ったけど、ディナーが終わってからにしようと思う。

それまではまだ3時間程ある。火力を弱めようかと思案し、18時を過ぎると一組目のお客様がご来店。後回しにしたのは正解だった。その後、大切なソワニエもご来店。オーダーに集中する私にソワニエからワインを頂戴してギアが上がる。Ch.Beau-Sejeur Becot '12

全てのお客様がお帰りになり、その後、計6時間煮込み続けたConsomméは飴色に仕上がっていた。悪くない。香りも良いし。

23時30分終了。誰も居なくなったリラダン。

Grand Vinを一人、静かに呑む。

・・・・・・・

フジタは南米滞在の後、マドレーヌと共に日本へ。その頃の作品が「魚河岸」だ。まあ、なんというか、この作品は二科展に出品したうちのひとつだが、日本人の藤田ではなく、異邦人のフジタが描く日本人肖像画、、だ。当時、日本では飛びぬけて異彩を放っていたのは間違い無い。この時フジタは今の私と同年齢。

オレの料理ってどうなんだろう

掴んでいた手は離れていったが、

手の跡が残ったままだ。

 

つづく