7ème:「フルール河岸 ノートル=ダム大聖堂」

リラダンの営業は11時からである。

ちょっと良いスズキが有ったら「よぉ~し!オトナ買いだぁ」と見栄を張って箱買いをする。そうすると、開店待ちの御車が駐車場に何台も、、。もっと早起きすればよかった。となる。

先日は、余裕を持って朝を迎えて、11時にはエスプレッソを飲んでいた。11時半を廻った頃、ソワニエから「今、美女木ジャンクションなんだけど」という御電話が入り、私は二つ返事で「お待ち申し上げております!」と回答。1時間有ればリラダンまで来られるだろうと。あーよかった。ゼロじゃない!リラダンは15年目になるのだが、今まで一日来客ゼロというのは二年前の6月、晴天の平日に一度だけあった。残念な一日だったけど、台風でも大雪でも計画停電でも、必ずご来店が有ったのはウチの数少ない自慢話。本当にありがたいことだ。

その後、電話も鳴らず、ご来客もないまま12時半。やれやれ、、とそこへ車が駐車場に入ってきて、やっとランチ営業が始まるなと思っていたら、、

次から次へと車が入ってきて、あっという間に9組のご来店。そりゃー忙しいのなんの。14時を過ぎる頃には下膳は山と積まれた洗い物。そしてデザートの追加註文があちこちから入り、ガトーは無くなり、大量の仕込みが発生。これは想定外。

たった9組?と笑うご同業諸氏、確かにそうお感じになるのは解る。だが、手際の悪い私には悲鳴の上がる数字なんすよ。20人近いオーダーが分刻みに入ると、無いアタマをフル回転させないと良いモン出すのは非常に難しい。それでもリラダンはコンプレ(満席)にならない。だからいつも私は「お席はいっぱいあります」「今、ガラガラですから予約しなくてもダイジョウブですョ」と申し上げている。30席をコンプレにするのってすごい大変なのだ(たまにあるけど)。。

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゛二頭のライオン”という名のホテルを中央に描いている。向こうの方には大聖堂が見える。シテ島だろうか。フルール河岸はその名の通り、花々の市場が連ねる場所。曇り空がパリを思わせる。古い時代を思わせないのが不思議だ。

 

つづく