8ème:「デコヴィーユ自転車」

変わらずジタバタしている。心が。

連休一日目は思いのほかヒマだった。ソワニエのお客様にご来店頂いて救われる思いだ。ディナーの最中も仕込みばかりしていたがワインもビエールも出た。ありがたい。あ、それとウチ、基本ヒマなんですョ。だから予約しなくてもダイジョウブです。それと、料理やお菓子のお取り置きはできないんです。ご来店のお客様に無いって言っておいて後から来た人に出したら、言われたその人、気分悪いですから。ご着席されたお客様から売ってしまいます。ご了承くださいませ。

いいモン出したい。それだけ。ずっとそればっかり言ってて、いいモン出せてるかギモンだけど。

今の自分にできることをやる。そうやって生きる。少し心の整理がついてきた。。

一日も早く脱出して、おいしいもの食べに行きたい。

オレがリラダンで自信を持ってやれるのは〇〇〇のおかげだし。

明日またレンズ豆のサラダ作る。

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パリの夕暮れ、遠くに凱旋門が描かれている。辺りは大きな木々が生えているだけで、現代のように建物が立ち並ぶアベニューとはほど遠い風景である。それを背景に、黒いドレスを身にまとった女性がヴィシクレット(自転車)にまたがり、笑顔で振り返る。

ブレーキは前輪についているようだ。後輪にはドレスの裾を巻き込まないようにカバーが取り付けられている。

邦題では「デコヴィーユ」と書かれている。一体、誰が監修したのだろうか、今回の美術展は発音表記がどうも変だ。Decauvilleは「ドゥコヴィル」と発音する方が正しい。「DE」は“ド”または"ドゥ”と発音する。仏語のEは、アクサンが付く場合や、e の後ろに子音が2個続く場合を除き、エではなく「ウ」と発音する。また、「Ville」をヴィーユと発音したのはおそらく「ill」を普通に読んだからだろう。英語のTown(町)と同じ意味であるVilleはヴィルと発音する。したがって「ドコービル」と表記してもいい。例えばミルフイユ(Mille-feuilles)というお菓子の名称。これは「千枚の木の葉」という意味だが、千(Mille)は「ミル」と発音し、葉(Feuilles)は「フイユ」と発音する。「ille」の発音の多くは「ユ」でいいけど、少数だが「ル」と発音する場合があるので気を付けたい。余談だが、日本では「ミルフィーユ」と書かれることが多いが、フランスでこう発音すると「千人の女のコ(Mille Filles)」という意味になってしまう。

 

 私:「僕はミルフィーユが好き」

 フランス人男性:「おお~、ワタシも好きョ♪」

 

まぁさ、フランス語ってポエティック。「尼さんのおなら」とか「ヤギのうんこ」っていう食べ物もあるし。

 

クスッと笑っちゃう所が救われる。そういう国。

 

涙、涙。だけど、キュイジニエでよかった。

 

つづく