9月2日。
日曜の朝、タルト・オ・フィグ(Tarte aux Figues)が焼き上がる香り(匂いではない)が漂う厨房。
胸がすく思いだ。私にとってのトランキライザーである。
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8月28日、フランスのノルマンディー沖で英仏両国の漁船同士が船体をぶつけ合った。一体、どっちが悪いの?
お互いホタテを獲ってもよい海域なのだが、乱獲防止の為にフランスは9月末まで禁漁としている。その一方、
イギリスでは8月だろうが9月だろうがホタテ漁ができる。
フランス側とすりゃ、それは納得できんでしょう。デカい漁船でやってくるイギリス船が、ホタテをごっそり獲っていくのを
黙って指をくわえて見ているワケにはいかんよね。そういう理由で、フランス人は石を投げたり発煙筒を焚いたりして実力行使に
出たのである。イギリス側だって黙ってるワケにはいかないから応戦する。まさにバトル(戦争)。
ノルマンディーの帆立貝はフランスのブランドを持ち、サン・ジャックという名称を国が認めている(ラベル・ルージュ)。
なんだか、フランスの肩を持ちたくなりそうなのだが、イギリスの場合、EUによる漁獲割り当てによって、マクロー(鯖)やカビヨー(鱈)、ドーバーソール(平目)などを諸外国に6割も獲られて、こちらはこちらで納得いかない。他にも諸問題を抱える英国がEUを離脱するのは来年の3月。ホタテバトルは収まるどころか、激化しそうで心配になる・・
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フランス料理では、ホタテはノワ(Noix)と呼ぶ貝柱のみを食す。ヒモはダシに使うこともあるが、大抵はどっか知らない所へ行っちゃう(à la pouvelle peut-être)。もったいない!
とゆーわけで、私はエラや砂袋、背ワタに詰まる既食部など口に触る部分は取り除いて、ヒモやキモなどはノワから外さない。フランスっぽくないけど、そういうホタテの姿そのままをキュイソンするのが好き。←私流(à ma façon)。
冷凍の生食用貝柱が扱いやすいけど、活きた殻付き帆立貝を一度でも使うと、そういう業務用には誰でも戻れなくなる(はず)。
カラホ(殻付きホタテ)って、7、8年前は安かった。一枚100円位だったもん。
気軽に使えなくなってずいぶん経つ。活きたホタテをランチにがっつり使いたいけど、
なかなか出来ない。←愚痴
おわり